グレードレース

【岸和田競輪 第77回高松宮記念杯競輪GⅠ】開催展望&注目選手

2026/06/13

競輪界の初夏を彩る「宮杯」。選手たちの「絶対に負けられない地区の意地」が最も色濃くぶつかり合う舞台です。 緻密な戦術、固いラインの絆、そして一瞬の勝負勘。全てを懸けた6日間の激闘の果て、歴史に名を刻むのは誰か。

熱き戦いを目に焼きつけよ!

創設77回を迎える歴史ある今大会。その最大の特徴は、GIで唯一の勝ち上がりにおける「東西対抗戦」。全参加選手を東日本・西日本の二つに分けた上、それぞれが各ブロックで鎬を削り、決勝を目指す。一次予選はポイント制(2走)を採用。二次予選と青龍賞、白虎賞を経て、東西各2レースの準決勝へ。その1着と2着、3着から1名、勝ち抜いた9選手が決勝の舞台を争う。同じ近畿同士、関東同士であってもラインを分けて真剣勝負と、普段にない戦いが見られるのも醍醐味のひとつだ。

5月、日本選手権を単騎で完全優勝と、古性優作が改めて大きな存在感を示す。昨年の負傷からここまで苦しみ抜いた末に掴んだ勝利で、最後まで諦めない走りは近畿の競輪の新たな象徴になるのでは。脇本雄太も大きな決断を下した。年頭からのハイパフォーマンスの裏で肘が悪化し、手術に踏み切った。全ては今大会に間に合う様に。大阪で3人目のS班・南修二は地元で捲土重来の意気込みか。福井の快速・寺崎浩平も選手権以上の仕上がりが期待出来るし、近畿地区から2年連続のウィナー輩出なるか。

今年前期のベストレーサーを一人挙げるなら吉田拓矢か。盤面をひっくり返すほどの凄い脚が脅威だし、眞杉匠は縦横どちらも強い選手の理想像に年々近づく。関東はこの二人が抜けているが、彼らに続く好調選手の出現を期待したい。

今や郡司浩平が南関のリーダー。中でも神奈川は松井宏佑を始め選手層に厚みがあり、ラインを組むにあたって有利か。また静岡・深谷知広も南関が誇る大砲。勝ち上がりでは最有力の一人だ。

阿部拓真はS班の試練と格闘中。何度倒れても立ち向かう姿勢はファンの心を動かすし、北には新山響平、中野慎詞と最高峰の機動型がいる。彼らとどこで連係できるかがポイントになるか。

久々にタイトルホルダー誕生の期待が高まるのが中四国。犬伏湧也だけでなく、好調な石原颯、町田太我、それ以上に世界的なスプリンターに成長した太田海也を擁し、松浦悠士、清水裕友が手ぐすねを引くか。

逆に中部地区はグレードクラスの機動型が不足する印象。重要な局面で単騎となったり、山口拳矢、浅井康太は厳しい勝ち上がりを覚悟しているか。

九州はS班の新しい顔となった嘉永泰斗が主力。それ以外にも底力を維持する荒井崇博や北津留翼、山田庸平、山崎賢人などタレント揃いで、西を勝ち抜く力は十分ある。

 

西日本

古性 優作 大阪/100期/35歳

5月日本選手権をオール1着の完全制覇。特に決勝の単騎戦、勝負どころで「無意識に」反応した機敏な動きは、勝負に徹する古性の熱い思いが凝縮されている様だ。卓越した乗車バランスとキレ味を武器に、ここ地元岸和田で3度目の当杯優勝を目指す。

脇本 雄太 福井/94期/37歳

史上初めてのグランプリスラマー。圧倒的な脚力を誇り、今の現役で断トツのナンバー1、いや競輪の過去に遡っても並ぶ選手はいないのでは。ただ直前に悪化した肘の手術を決断。あの超人的パフォーマンスを発揮できるか、回復具合が鍵となろう。

嘉永 泰斗 熊本/113期/28歳

昨年の寛仁親王牌を単騎捲りで制し、初のGⅠウィナーに。同時に九州地区に6年ぶりのタイトルをもたらす。持久力とスピードを両立させた射程距離が長い捲りは非常に強力。大舞台で決して尻込みしない強靭なメンタルも彼の強さを形成する一つだ。

寺崎 浩平 福井/117期/32歳

好調時の捲りのトップスピードは最強脇本を彷彿させるほどの冴え。昨年オールスターで念願のGⅠ初制覇を成し遂げ、S班に仲間入りしたが、まだまだ己の力を証明し足りていないと欲求がある筈。近畿の伝統ある大会でひと際眩しく輝くか。

南 修二 大阪/88期/44歳

当杯は南が初めてGⅠの決勝に乗った大会。それから17年、S班として、地元の精神的支柱となってこの舞台に立つ。全国のガッツマーカー達とバチバチに競ってきた事で、捌きも差脚もベテランの円熟味あり。ナニワ男子のド根性を見せるか。

山口 拳矢 岐阜/117期/30歳

中部地区の選手層、特に自力型の薄さは全国と比べて劣勢気味。事実、山口も要所で単騎となる事が多いが、ひらめきと回転力でサラリと切り抜ける。レースセンスとスピードは天才肌のそれで、鮮かに前団を仕留める捲りは痛快のひと言だ。

太田 海也 岡山/121期/26歳

4月香港W杯でスプリント、ケイリンの両種目で銀メダル獲得。ナショナルチームでの進化が止まらず、今や押しも押されぬ世界トップ選手の一人に。圧倒的な高出力で、競輪と競技、いずれ両方の世界を制するかも知れない可能性を秘める。

荒井 崇博 長崎/82期/48歳

九州の追い込み陣のヒエラルキーのトップに君臨。それも確かな実力あってのモノで、誰にも文句は言わせない。銘柄級の自力選手でも余裕で捕えるキメ脚があり、昨年わずかな差で取り損ねたGⅠタイトルを今年こそはと強く渇望する。

清水 裕友 山口/105期/31歳

自力なら前々で闘志あふれる競走、番手を回れば状況に対応する判断力と技術を兼ね備える。太田海也など強力な先行型が出現し、これから隆盛を迎えそうな中国・四国地区にあって清水の万能さが生きるし、タイトル争いに加わる機会も増えよう。

 

東日本


吉田 拓矢 茨城/107期/31歳

眞杉匠と関東最強ツートップを形成。個としても脅威となる脚がある上に、ラインを機能させる意識が高い。影にも日向にもなり役割をこなして、強さの相乗効果を生むだけに、それが眞杉と組めば前後どちらを問わず強力無比なのは言わずもがな。

眞杉 匠 栃木/113期/27歳

昨年GPで敗れはしたが、近畿ライン4車を相手に不利を承知で勝負に出た事で「男」を上げる。縦にも横にも攻撃的かつ非常に激しい競走スタイルで、走りに違いはあれど「妥協しない」点は武田豊樹、平原康多の系譜を継ぐ関東のエース格だ。

郡司 浩平 神奈川/99期/35歳

スピードや回転力など物理的な力に優れているだけでは安定した数字は残せない。郡司が他と違うのは競輪IQの高さ。俯瞰したかのように一手二手と先を読み、捲る最適なポジションに自然と居る。尚且つ調子の維持・管理能力もマスタークラスだ。

阿部 拓真 宮城/107期/35歳

数字の上ではS班として不十分かも知れない。ただ実直な男が見せる懸命に戦う姿勢、ファイティングスピリットに心を動かされるファンがいれば、それはもうS班の走り。辛抱強く食い下がり、昨年競輪祭の決勝の様に一度のチャンスをモノに。

渡部 幸訓 福島/89期/42歳

シャープな差脚で近年めきめきと頭角を現して来た一人。北日本は実績ある選手が多く、3番手を回る事が多い中で今の地位まで積み上げて来た。内、外、中とコースを見い出して突っ込む脚は実に鋭く、S班相手でも穴を開ける魅力にあふれる。

深谷 知広 静岡/96期/36歳

デビューから史上最速で高松宮記念杯を制して15年。南関に移籍してからも怪物としての存在感は揺るがない。ただレースで絶大な影響力を見せても、GⅠタイトルから遠ざかる近況。まだ年齢的に力が衰えない内に、再び頂点に立つ栄誉を欲するか。

新山 響平 青森/107期/32歳

昨年は勝利を望まれるS班の立場と、自身の生き様でもある先行スタイルとの間で葛藤もあったか。S班のくびきから解放された今、正攻法から得意の突っ張り先行など、仕掛けはより大胆に。先行日本一と評される大逃げで場内を沸かそう。

菅田 壱道 宮城/91期/40歳

捲り兼備のキメ脚に大物打倒の魅力あり。序列も上がって、近年は新山響平や中野慎詞ら北日本の精鋭の番手を回る機会が増加。時は熟した。これまで届きそうで届かなかった初タイトルを手にするのは、今大会なのかも知れない。

中野 慎詞 岩手/121期/26歳

西の太田海也に対して、東に中野慎詞あり。同じくナショナルチームで切磋琢磨し世界に挑戦中。ここまでの実績は太田が先を行く感あるが、自力のポテンシャルは日本国内の規格に収まらず、太田と肩を並べるスケール感あり。

 

 

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